高め合う戦友「最高」 佐川さん、蛭田さんが古里・いわき走る

5年ぶりとなる待望の大会開催に、いわき市が沸いた。26日に開かれたいわきサンシャインマラソンでは、地元ランナーが浜風の中で古里を走る喜びをかみしめた。
「おめでとう」「ありがとう」―。フィニッシュ地点では、ランナーの輪が5年ぶりに広がった。コース各所でランナーが交流を深める場面が数多く見られた。
男子フルマラソンで総合8位となった佐川雄一さん(39)と、男子総合で優勝した蛭田雄大さん(27)の2人もそうだ。いわき市で暮らす2人はフィニッシュ後、健闘をたたえ合った。
2人は練習の際に競技場で顔を合わせる仲。佐川さんは練習方法などについて蛭田さんからアドバイスをもらっている。それだけに、蛭田さんの優勝は、自分のことのようにうれしかった。
佐川さん自身も前回大会の29位から大きく飛躍する8位に入り、タイムも前回から13分以上縮めた。目標の2時間30分には届かなかったが「海も山も街もあって...。起伏が激しく記録が出るコースではないけど最高の大会だった」。5年ぶりに地元で走るレースを満喫した。
2年前には腰椎椎間板ヘルニアを患い、寝たきり生活も経験した佐川さん。リハビリに励んで体調を戻し、再び出場した地元開催のレースだった。「レベルはいろいろだが、それぞれが設定した目標に向けて走れることがマラソンの良さだね」と佐川さん。駆け抜けた地元の光景を思い出しながら、感慨深げに振り返った。