聖光連覇 光る勝負強さ 神宮大会へ弾み、粘る学石あと一本出ず

【秋季高校野球福島県大会・最終日】
◇あづま球場 ▽決勝(12時32分)
聖光学院 100010021―5
学法石川 100000011―3
▽本塁打 片山(聖)
▽三塁打 野口(学)▽二塁打 高中(聖)本郷、伊藤和(学)▽暴投 根本(学)
▽試合時間 2時間29分
▽審判 高橋(球)吉田将、吉田陽、武田
【評】聖光学院が終盤に好機をつかみ、追いすがる学法石川を振り切った。初回に先制し、五回に1点を加えて迎えた八回、片山の2点本塁打でリードを広げ、九回は三好の犠飛で1点を加えた。学法石川は初回に同点としたものの三~七回は1安打と打線が沈黙。八、九回に1点ずつ返したが、反撃はそこまでだった。(熊田紗妃)
苦労人のひと振り 勝利に導く
苦労人のひと振りが試合を決定付けた。聖光学院の片山孝(2年)が振り抜いた白球は放物線を描き、左翼席に吸い込まれた。貴重な追加点となった本塁打に「負けなくて良かった。このチームで優勝できてうれしい」と笑顔を見せた。
県頂点を懸けた戦いは終盤まで一進一退の攻防が続いた。1点リードの八回、1死二塁で打席に立ったのは、ここまで無安打の片山。「打てないことが当たり前。一喜一憂しない」。思い悩まず、バットをいつもより短く持ち、コンパクトなスイングを心掛けた。内角のスライダーに体が反応した。公式戦初本塁打に「気持ちが良かった」と興奮を隠し切れなかった。
6月に発症した腰の痛みと闘っている。新チーム発足後の8月下旬は痛みで思うような練習ができず、歯がゆい思いをした。苦しい期間を乗り越えての優勝。試合後の校歌を耳にしながら、これまでの歩みを振り返ると自然と涙がこぼれてきた。
目標の神宮大会出場に向けて弾みをつけた。「一日一日の練習を厳しくして、短い期間でレベルアップしたい」。攻守に磨きをかけ、東北の舞台でも暴れるつもりだ。(熊田紗妃)
学石、東北大会へ気持ち切り替え
「勝てるチャンスはあった。最後の勝負強さが足りなかった」。22年ぶりの秋季県大会優勝を狙った学法石川の主将本郷翔大(しょうた)(2年)は唇をかんだ。
「チャンスであと一本が出ないのが練習試合からの課題」と振り返った通り、初回こそ1点を返し同点としたものの、二回以降は七回までゼロ行進。打線は好機でつながりを欠いた。
それでもチームは、3年連続で秋の東北大会に臨む。本郷は「この負けを次につなげていきたい」と気持ちを切り替えた。
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