聖光学院「甲子園の夢」続く センバツ、卒業生全員の動画に力

甲子園球場で25日に行われた選抜高校野球大会2回戦で近江(滋賀)に2―7で敗れた聖光学院。甲子園の夢を果たせなかった先輩の思いも背負い、日本一を目指したナインの春の挑戦は幕を閉じた。
投打がかみ合い1回戦を突破した聖光学院だったが、2回戦では大会屈指の好投手山田陽翔(3年)擁する近江に2得点に抑え込まれ、守ってはエース佐山未来(3年)の熱投も及ばず7失点を喫した。斎藤智也監督は「敗戦を踏まえ、本当の意味で強くなって甲子園で勝ちたい」と大舞台を経験したナインの成長を期待した。
甲子園出場は春夏合わせて22度を誇るが、今回は2019年の夏以来3年ぶりとなった。直近2年は新型コロナウイルスによる大会中止や、夏の福島大会敗退で聖地から遠ざかった。県大会で優勝しても甲子園に立てない「悲しさ」、高校最後の夏に敗れる「悔しさ」。新3年生は甲子園に立つ夢がかなわなかった先輩たちのこうした姿を2年間間近で見てきた。「必ず甲子園に」。特別な思いで始まった新チームは快進撃を見せ、秋東北準優勝を果たし、4年ぶりのセンバツ切符をつかんだ。
しかし、開幕までの期間は、新型コロナ感染対策のため、対外試合が中止となったり練習が制限されたりした。こうした中、センバツ出場を決めたナインに、坂本寅泰前主将ら今月で卒業する3年生が、43人全員のコメントをつないだ激励のメッセージ動画を贈った。「3年生が立てなかった舞台。どこまでも潔く、泥くさく戦おう」。主将の赤堀颯(3年)を中心にナインは結束、メッセージを力に戦った。2年分の思いを込めた甲子園は1勝1敗。「3年生が本当に喜んでくれて一緒につかんだ甲子園だと思っている」と赤堀。感謝を伝え、最後の夏へと前を向いた。(坂本龍之)
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