【聖光4強・飛躍の夏(6)】甲子園快進撃!野球少年の心つかむ

聖光学院ナインの甲子園での快進撃は、県内の野球少年たちの心に鮮烈な印象を残した。
「大差をつける試合もあってすごかった。守備からリズムをつくっていくところなど、見習っていきたいと思った」。福島市を拠点に活動する中学硬式の野球クラブチーム「福島ボーイズ」に所属する長谷川獅(れお)選手(福島四中1年)は目を輝かせる。甲子園の5試合中3試合無失策の堅守を見せた聖光ナインから、守りの大切さを学んだ。
偉大な先輩の存在が、チームの熱狂をより大きなものにしている。聖光の6番打者として今大会全5試合に出場し、全ての試合で安打を放った狩野泰輝(3年)は同チーム出身だ。
狩野の父で、同チームのコーチを務める聖二さん(53)によると、狩野は「自分が頑張れば、地元から聖光学院を目指す人が増える」と、強い信念を持って聖光学院に入学したという。
狩野の当時の言葉通り、地元野球少年にとっての聖光の存在感は今後より高まりそうだ。「狩野選手のように努力して活躍したい」。同チームの松本幸喜選手(清水中3年)は憧れのまなざしを向ける。強豪校でのプレーを望んでおり、聖光学院への進学も選択肢の一つとして視野に入れている。「甲子園で勝負強い打撃を見せられればいい」と決意を語る。
同チームで監督を務める新田見和徳さん(51)は、「聖光で勝負しよう」という高い意識を持って地元で野球に取り組んでいる子どもは決して多くはないと感じてきた。しかし、聖光の活躍をきっかけとした変化に期待している。「今後地元の子が多く聖光などで活躍して、地域の野球熱が高まればいい。まずは、中学から硬式野球に取り組む子どもが増えてほしい」
甲子園でベンチ入りしたメンバー18人の選手のうち、県内の中学出身者は狩野ら3人にとどまった。この夏、聖光の試合にくぎ付けになった県内の子どもたちの中から、未来の聖光ナインとして活躍する選手が現れるかもしれない。
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