聖光学院、いくぞ頂点!国体高校野球 「最後の大会」小林完封

県勢悲願の日本一まであと一歩に迫った。宇都宮市で3日に行われた国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」高校野球硬式の準決勝で国学院栃木(栃木)に3―0で快勝し、決勝進出を決めた聖光学院。4強入りした夏の全国高校野球選手権で果たせなかった頂点に向かい、ナインは強豪大阪桐蔭(大阪)との決勝を迎える。
県勢として59年ぶりとなる決勝進出に導いたのは、背番号「10」の投手小林剛介(3年)だった。「夏に打たれて負けた悔しさをぶつけた」。国学院栃木を相手に、その一心で投げ続けた。
夏の甲子園準決勝の仙台育英(宮城)戦では、先発しながら2回途中5失点で降板した小林。雪辱を果たそうと必死の投球を見せた。
甲子園で球威不足を感じ、ボールの回転数を上げるため、近い距離でのキャッチボールを重ねてきた。その成果を発揮した。
80キロ台のカーブと切れのある直球を使い分ける緩急をつけた投球を披露した。被安打4、球数わずか95球の投球で無失点に抑え、公式戦で初めての完封を成し遂げた。
小林は今大会のマウンドが最後と決めていた。野球を指導するため、中学校の体育教師を目指して大学に進学するが、競技の第一線からは離れる。思いが詰まったマウンドで躍動し、小林は「感覚的には3年間で一番良かった」と充実感をにじませた。
投球を見届けた斎藤智也監督は「甲子園が終わってからレベルアップした。打たせて取る投手の真骨頂を十分発揮してくれた」とたたえた。
次は決勝だ。ナインはそれぞれ熱い思いを持って臨む。主将の赤堀颯(同)は「まずチャンスを頂けたことに感謝して、なんとしても県勢初の優勝を目指したい」と意気込む。
斎藤監督は「壮行会で言ったことは、ただの口約束じゃないことはプレーで証明している」とし、「国体も主将を中心に日本一を目指している」と決勝での戦いに期待した。
63年国体出場・青木さん「今度こそ優勝を」
1963(昭和38)年の国体で磐城のエースとして活躍し、決勝に進出した県議の青木稔さん(76)=いわき市=は「われわれの記録を破り、今度こそ優勝してほしい」と聖光学院にエールを送った。
磐城は当時、初戦の2回戦で今治西(愛媛)を破ると、続く準決勝で銚子商(千葉)を下して決勝に進んだ。決勝では下関商(山口)に4―5で惜敗した。青木さんは「必ず勝つという気持ちで、気を緩めずぶつかってほしい」と聖光学院ナインの活躍を願った。
保護者会長「最後まで応援」
スタンドには3年生の保護者を中心に約70人が駆け付けた。野球部保護者会長の小原孝嗣さん(54)=福島市=は「夏の甲子園での4強は実力だったと証明する内容だった」とたたえた。
小原さんは決勝に向け「3年生にとっては最後の試合になる。目標とした『日本一』に向けて負けない野球とチームワークを発揮し、全員で力を合わせてほしい。最後までしっかりと応援したい」と力を込めた。
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