幕末の会津解説 新選組展、東京学芸大名誉教授・大石さん講演

 
「新選組と会津藩」と題して講演する大石さん

 福島県立博物館(会津若松市)で開催中の「新選組展2022―史料から辿(たど)る足跡」の関連イベントの記念講演会が10日、同博物館で開かれた。東京学芸大名誉教授の大石学さんが「新選組と会津藩」と題して講演し、幕末に会津藩が果たした役割などについて詳細に解説した。

 大石さんはNHK大河ドラマ「新選組!」の時代考証を担当しており、この日は会津藩に関する記録の中から新選組に関わる部分を抜き出した史料を用意したほか、大河ドラマ「八重の桜」の内容も踏まえて幕末の会津を説明した。

 大石さんは、幕府と、長州藩など攘夷(じょうい)激派との対立の中間にいた会津藩などの「一会桑(いっかいそう)」勢力について言及。「中間派(である一会桑勢力)がしっかりしていればきっと大きな戦争は起きなかったが、中間派が分断して崩れたために幕府と攘夷激派が直接ぶつかることになった」と指摘し「言論、学問を大切にしなければいけないと言っていた(会津藩主)松平容保(かたもり)らのグループこそ、(崩れてしまわないように)鍛えられていなければならなかった」と主張した。

 また、幕末の構図を現代のロシアによるウクライナ侵攻に置き換え「米国や欧州は武器を送って均衡を保つ政治しかやっていない。第三勢力(中間派)が出てきて力でなく言葉でやめさせる努力を不断に行わなければならない」とし「会津の再建というのは、大きな問題を私たちに投げかけている」と言葉を結んだ。

 企画展19日まで

 新選組展は19日まで(12日は休館)。17、18の両日は夜間開館として午後7時まで観覧できる(入館は午後6時まで)。